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私は現在オランダ王立熱帯研究所での修学中(熱帯医学の学位修得済み。現在国際保健の修士課程を修学中です)でありますが、東京学芸大学付属竹早中学同窓生の皆様に緊急でお願いしたきことありまして、乱文乱筆ではございますが文をしたためている次第にございます。
5月初めのミャンマーでのサイクロンの被害は皆様もご存じのことと思います。私はこの度、所属している日本の災害医療NGO、HuMA(Humanitarian Medical Assistance、人道災害医療支援会)の要請を受け、5月15日にAmsterdamを発ち、6月22日の現在に至るまでミャンマーにて救援活動をしております。現地の被害は相当なもので、死者、行方不明者は150,000人を超える大災害です。また雨期の始まりの被災は、洪水による二次災害をもたらし通年より2〜3か月長引く10月頃まで続くと予測されています。また被災地の大半はマラリア、デング熱といった蚊が媒介する致死的な病気の流行地帯であり、現在すでにサイクロンの影響で家を失い、一時的な仮設テントで生活を強いられている被災民がデング熱の脅威にさらされております。実際昨年の2倍の数の患者が報告されており、WHOもデング熱の危険宣言を出し、それの対応に追われているところです。
私の所属するHuMAは現地の私立病院Pun Hlaing International Hospital(写真1)と提携し生き残った被災民の援助活動をすることに決定いたしました。私は国境なき医師団でのミャンマーを含めた様々な災害紛争地での経験(写真2,3 私のCVや国境なき医師団のホームページ等を参照にしていただければと思います。)、及び熱帯医学、公衆衛生、国際保健の知識を評価され、Pun Hlaing International Hospitalが擁する医療チームのMedical Coordinatorとして招聘されました。いまだ混沌とした緊急状態が続く状況の中、大きな必要性があるため、私はこれをVolunteerとして引き受けることといたしました。災害医療や熱帯医療、また地域医療の経験の浅い医師達に教育を施し、医療品の管理、そしてUN及びWHOと協力しながらデング熱、マラリア等の感染状況の調査等について支援することとなりました。Pun Hlaing International Hospitalの医療チームは、高度医療病院での経験豊富な医師、今回の災害を受けVolunteerとして集結した現地の医師、そして研修医(90%強)と看護師で構成されています。しかし経験豊富な医師たちを含めこれら全ての医師達はこれまで災害医療、小船を使った移動診療の経験がなく、また熱帯医療に関してもその知識は長い間の政治的不安定から最新の教育を受けることができなかったため古く、既に5月中に緊急の要請があり80名のMedicalStaffに対し教育を行い、新たなVolunnteerのために継続を決定しております。(写真4)その上こういった災害時、熱帯医療に必要な医薬品の知識が欠けているため、医薬品の選定、梱包、輸送等の管理及び指導も始めております。今後チームの疲労を見てRotation等も考えねばならず、仕事は重要かつ膨大です。
先にも述べましたが、デング熱の大量発生のためすでに多くの被災民がその犠牲となっており、HuMA及びPun Hlaing International Hospitalチームの担当する地域では4人の子供が亡くなりました。まだデング熱の季節的なピークを迎えていない今でこの状態であることから、今後より多くの人が犠牲になる可能性があります。被災地に入った診療チームのメンバーも既にデング熱に罹患した者もおり、救援する方も覚悟が必要な状態です。
この10月まで続く生死を分ける状況は、一般に言われているような復興回復期とは程遠いというのが現状です。サイクロンによって家族を亡くした人々、特に今回のサイクロンで両親をなくした子供たちの心のケアも急務になっております。写真にて(写真5)紹介する子は死を覚悟した両親が木箱に子供を入れ濁流の中に流し、幸運にも生き残った人に引き上げられました。逆に死を覚悟した両親が子供たちをつぼに入れすべて沈んでしまったという話もあります。こうした人々の心のケアが必要なのはわかりきっていることなのですが、国際援助の手が届かない今ほぼ全てのことができません。現地の留学経験や臨床経験が豊富な多くのPsychologist達はすでに取り組みを始めていますが、施設も何もかも吹き飛ばされ、流された今、屋根の飛んだ僧院や教会で行おうとしています。せめて雨期の中の雨風をしのげる最低の場所が必要ですが、資金、物資の流れが国際的に滞っている今どうしようもありません。学校もすべてなくなったため、Pun Hlaing International Hospitalではこういった心のケアの活動の中心となる、一時的な学校のようなものの建設も予定しています。
HuMA及びPun Hlaing International Hospitalのチームは直接被災民を支援しています。未だ緊急状態という現状の中、上記に述べたように多くの良心をもった現地の人々が被災民に対して援助の手を差し伸べようとしているのですが物も資金もない今、苦しんでいる被災民に対しほんの少しのことしかできないというのが現状です。私達のGroupは様々な制限のあるミャンマーという国で被災民に対して直接の援助のできる数少ない団体です。(写真6)にもかかわらず、我々の様なGroupまでも、ミャンマー政府の国際的な孤立のため、国際的に援助が受けられず、被災民に対して十分な援助ができないという現実があり、大変苦しい思いをしております。どうか被災民の救援のため私達のGroupに少しでも援助をしていただければと思います。
ご理解とご支援の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
もし義援金等集めている団体、またどこにDonationすればいいか迷っている場合等ございましたら、是非HuMA(URL:www.huma.or.jp)にご連絡くだされば幸いに存じ上げます。
林健太郎
特定非営利活動法人災害人道医療支援会 医師
Kentaro HAYASHI
HuMA−Pun Hlaing International Hospital Cyclone Nargis Medical Relief Team
Medical Coordinator
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写真1
写真2 私の以前のミャンマーでの医療活動と記事(Medical Activity In Myanmar)
下の記事は私がMyanmarで活動していた際、読売新聞の取材を受けた時のものです。
写真3 Medical Activity MSF
国境なき医師団でのNigeria Mission。麻酔医、救急医として活動
Sri Lanka, ジャフナ半島Point PedroでのMission。昼夜を問わず砲弾の飛び交う中で、救急医、麻酔医、及びMass Casualty Plannerとして活動。
イラク、クルド自治区、スレイマニアの外傷火傷センターにて、救急医、麻酔医、集中治療医として活動
写真4 Myanmar Medical Training
下記の写真は先日ミャンマーに訪れた際被災地に派遣されるDoctorに対してTrainingを行った時の様子です。
隣の彼は国境なき医師団の活動にて共に働いていた同僚ラテ医師で彼に通訳そしてマラリア診断キットのデモンストレーションを行ってもらいました。
このような若い医師たちが被災地に向かい医療救援活動を行います。
すでにこの中から40名の医師が被災地に向かい現在も医療活動を続けております。
写真5 Myanmar Orphan
この子供は上述の通り死を覚悟した両親に木箱に入れられ幸運にも生き延びた子供です。悲惨な写真も多くありますが、この場では控えさせていただきます。
この子以外にも両親を亡くした子は大勢います。またこの子供たちが、サイクロンにすべてを奪われ、マラリア、デング熱、コレラといった危機的な環境の中雨期が終わるまで生き延びられる保証はどこにもありません。
写真6 Relief Activity
これはNational Staffに託し、被災した人々に食糧を配給している様子です。
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